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News | 配送アプリのユニコーンLoggiへの労働契約命令

ニュース概要
ブラジルの労働裁判所は6日、ブラジル発の配送アプリ企業であるLoggiに、全ドライバーと正式に雇用契約を締結するよう命じました。今回の裁定により、同社はUS$7.2Mの負担を強いられる事になります。

 

雇用契約の回避による不当競争?

ブラジルでは、約15,000人のドライバーがLoggiで働いています。 Loggiは、SoftBankやMicrosoftなどからUS$150Mを調達し、今年6月にはユニコーンに仲間入りしました。

労働判事のLvia Lacerda Menendez氏は、「法規制は自由競争を支持する一方で、雇用関係がないためにLoggiは税金などの支払を回避しており、これは不公正な競争を促進し、同業他社よりも経済的に有利になり得る」と説明しました。

今回の決定により、Loggiは、過去2か月間にアクティブであったドライバーを電子システムに登録する必要があります。なお、本件について、Loggiはコメントを差し控えています。

*SoftbankによるLoggiへの投資に関する弊社の記事はコチラ!

*ブラジルのユニコーン12社に関する弊社の記事はコチラ!

 

ニュースからの示唆 | 外部規制に対するコンティンジェンシープランの必要性

ブラジルでの正式な労働関係締結は、政府基金および公的年金制度などへの支払いを企業に義務化させ、その財政的負担は深刻なようです。

本件がLoggiにとって想定の範囲内であったか定かではありませんが、例えば、UBERは複数の国および地域で、同様の問題に直面しています。

したがって、より良いサービスと価格を提供する”破壊的”スタートアップ企業としては、長期的な収益を実現するためには、外部規制リスクに対応すべく、財政的および組織的なコンティンジェンシープランを備えておく必要があるでしょう。同じく投資家目線でも、外部規制リスクは投資の重要なクライテリアとしておさえておきたいですね。

 

参照

https://veja.abril.com.br/economia/justica-reconhece-vinculo-trabalhista-entre-loggi-e-motofretistas/

https://www.reuters.com/article/loggi-labor/brazil-court-says-delivery-app-loggi-has-to-formalize-work-relationships-idUSL8N28G50A