in ペルー・ベンチャー・キャピタル

ペルーのベンチャー投資市場:ブラジル・ベンチャー・キャピタルのペルー進出

ブラジル・ベンチャー・キャピタルはついにペルーに進出しました。ペルーベンチャーキャピタルを作らないといけません。10年来の親友であるペルー出身のAlejandroを迎え入れ、キックオフとなるイベントを行うべく10月初旬にペルーの首都、リマを訪れました。キックオフの様子と今後の狙いをお話したいと思います。

 

ペルーってどんな国?

ペルーは人口約3000万人。GDPランキングで見るとポルトガルやニュージーランドと近い経済規模です。一人当たりGDPは約7000ドルでタイと同等といった感じです。日系移民も多く、10万人以上と言われています。元大統領のアルベルト・フジモリ氏は日系二世です。観光で有名なのは日本人も多く訪れるマチュピチュ、クスコ。世界一の高地にある湖として知られるチチカカ湖は60%がペルー領です。

海産物も多く取れるのでペルー料理はグルメとして有名で日本人にもよく合います。首都リマには世界のレストランランキングで上位にランクするレストランも多数あり、いつもにぎわっています。

 

 

 

 

 

 

 

ベンチャー投資市場は夜明け前

ペルーでのスタートアップへの投資額は2018年時点ではUS$9M、今年はUS$12Mになるとの見込みです。まだ国内のエンジェル投資家からの資金提供がほとんどです。

絶対額で2010年のブラジルと同等、国の規模で調整すると2013年のブラジルと同じくらいです。ブラジルが2014年から5年で一気にブレークしたことを考えると、きっかけがあればペルーもブレークする時期に来ているかもしれない、少なくともこの2-3年でブレークする可能性が十分ある、というところからペルー進出をはじめることになりました。

 

BVC in Peruキックオフ

まずはペルーのインキュベーターLiquidでベンチャーファイナンシングのレクチャーをさせて頂き、そのインキュベーションセンター内で選ばれたスタートアップのピッチを受けました。資金供給がないマーケットだけあり、どこも堅実で黒字の中でしっかりビジネスを伸ばしている印象です。

 

 

 

 

 

その後ラテンアメリカ最大のテレコム企業、テレフォニカが運営するWayra Peruでもプレゼンテーションとピッチコンテストを主催。ベーシックなベンチャーファイナンシングの話ながら、あまり聞く機会がないとのことで熱心に質問を受けました。

 

 

その後、Wayra Peruが主催するペルーで初めてのオープンイノベーションイベントに参加。地元の大企業、大学、スタートアップ関係者とのラウンドテーブルでディスカッションを行いました。このラウンドテーブルの仕組は面白く、自分のイベントでも参考にしたいと思います。

各プレゼンテーションの中で、日本のスタートアップもちゃっかり紹介させて頂きました。トラクターの自動操縦ソリューションの農業情報設計社、独自OSで完全に異なるビジネスモデルでのスマートフォン普及を目指すアメグミさんを紹介しましたがどちらも高い反響でした。

全体の印象としては国の発展段階がブラジルとは違っていて、ポテンシャルが非常に高い。ベンチャー投資家としての競争はゼロ(でもExitはまだ難しそう)という状況です。

個人的には8年前にブラジル移住を決めた時にペルーなどのラテンアメリカの国は5-10年後でも大丈夫、という腹積もりだったんですが、機が熟してきたようです。焦らず長期視点で着実に投資活動を進めて行こうと思います。