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速報: ソフトバンクがブラジルでUS$140Mの新規投資リード

ニュース要旨

ソフトバンクらが、eコマースのプラットフォームを提供するブラジルのVTEX社にUS$140Mを投資しました (NEOFEEDの11月22日付の記事)。

今年5月にUS$5Bのラテンアメリカファンド設立を発表したソフトバンクにとって、ブラジルのスタートアップへの10件目の投資となります。

 

今回の投資はソフトバンク、Gávea Investimentos (代表は前中央銀行総裁のArmínio Fraga)およびConstellation Asset Managementらがリードし、調達資金は主にVTEXの海外展開や研究開発に投入される計画です。

 

VTEXってどんな会社?

2018年の売上はUS$179Mで、過去5年間のCAGRは40%でした。今年の売上予測はUS$250Mにものぼります。VTEXは15の海外拠点 (米国、英国、イタリア、スペイン、ルーマニア、および中南米諸国)を有し、売上高の52%がブラジル国外からとなっています。従業員数も600名を超え、成長の著しさが伺えます。年内には2件の買収も予定しています。

 

起業からの経緯

VTEXは、2000年にTextile Showcaseとして設立されました。 ソフトウェア開発に重点が置かれ、最初のプロダクトは、セールスフォース自動化プログラムでした。2000年代半ばにWalmartのアカウントを獲得して以来、急成長が始まりました。

2011年、南アフリカのNaspersファンドからUS$7Mを調達し、当時232だった顧客数は、現在では28ヵ国で2,500にものぼります (主要顧客: Apothecary、Whirlpool、Electrolux、Sony、Walmart、L’Oréal、Coca-Cola、Nestlé、Motorolaなど)。

 

 

資金調達の経緯

VTEXはベンチャーキャピタルからの大規模投資なしで20年近く成長してきましたが、SAP等の巨大プレイヤーとの競争も加味し、昨年頃から新たな資金調達を模索していました。VTEXは、今回の投資に関与した3社による事業支援にも期待しています。GáveaとConstellationはコンプライアンスやコーポレートガバナンス、 ソフトバンクはグローバル展開の点で、VTEXの事業を後押しするでしょう。

 

ソフトバンクの南米投資戦略

WeWork問題や”まっかっか”の赤字決算により、ソフトバンクへの世界的な不安感は否めません。一方で、先日の日伯オープンイノベーション交流会でもソフトバンクの担当者が示唆した様に、「南米投資戦略に、直近では目立った方針転換はない」見込みです。

*ソフトバンクの南米投資戦略に関する弊社の解説記事はコチラ!

 

引き続き、南米およびブラジルでのソフトバンク動向もウォッチしながら、皆さまに情報発信して参ります。