最近ブラジルではStoneのNASDAQへの上場が大きな話題になっていますが、2018年9月26日にひっそりとNASDAQに上場していたもう一つのスタートアップがあります。
アルコ・エドゥカサォン(Arco Educação)という教育関連ベンチャーで公開時に7億8000万レアル(約23億円)を調達し。企業価値は12億ドルに達しており、これもユニコーン。今年に入ってNYSE、NASDAQへ上場するブラジルのスタートアップが合計3社出ています。
幼児教育や中等教育における教育システム・ソフトウェア開発企業で、教育書の製作やコンサルタント、教師の育成プログラム、インターネット上で学校の評価やオンライン講座を提供する教育プラット・フォームも提供します。
最近日本から聞かれるようになったうれしい質問は「なぜブラジルでこんなにユニコーンが産まれるのか」。
大きく4つの理由があると思っています。
1.市場が大きい:ブラジルはオンライン人口世界で4位です。アルコ社もブラジル国内の1300の私立学校、42万5000人の生徒にサービスを提供しており、2018年の上半期の売上は約2億レアル(約60億円相当)で前年同期比43%増と成長を続けています。
2.シンプルなサービスでもまだまだ普及余地がある:既存のサービスをネットに置き換えたものや、海外で流行っているサービスをブラジルに持ってくると意外と(日本ほどは)ローカライズせずに普及していきます。
3.資本の限定供給:スタートアップが一定規模になるところまでの資本供給が限られているので、その限られた供給資本にたどり着ければブルーオーシャン的に開拓していけるところがあるのかもしれません。
4.Exitが限られる:ブラジルは国内の上場企業が60社強しかない上場しずらい環境です。M&Aでの売却もオプションではありますが、こうしてアメリカで上場するロールモデルが出始めるとそこまで粘って大型上場する資本政策が違和感なく描けるのかもしれません。
2018年内はもう上場はないかもしれませんが、来年以降の上場が噂されているスタートアップはいくつもあるので、こうしたユニコーンの誕生が更なるユニコーンの誕生、エコシステム全体の活性化にプラスになることは間違いないでしょう。